2017.10.03 Tuesday

「九州でエイズ急増したのは風俗客の中国人が原因」説はデタラメ

 自称「ネトウヨ」ライター森鷹久による「九州でエイズ急増したのは風俗客の中国人が原因」説がNEWSポストセブンに掲載されていた。しかし、感染症法で全数報告が義務付けられているHIV感染者・エイズ患者数の統計では、九州地域で近年増加しているのは日本人男性のエイズ患者ばかりで、日本人女性のほうは新規HIV感染者とエイズ患者を合計しても九州地域ではこの10年だいたい年間5人前後。そして外国人男性や外国人女性の新規HIV感染者・エイズ患者は、九州地域では数年に1人程度。「風俗客の中国人が原因」説にはまったく根拠がない。
 福岡県福岡市で派遣型風俗店を営む男性(49)は、中国や韓国など、大陸方面からやってくる男性観光客の増加が、HIVやその他の性病の蔓延の原因だと分析している。
「関西方面で、抗生剤の効かない新種の淋病が流行った時も、二年前くらいから梅毒患者が増えたことも、そして今回のHIV感染も、全部外国人観光客の、特に中国人観光客が増えたタイミングとぴったり一致しとるでしょう。金持ちの客は女の子にチップをたっぷり渡して、密かに本番行為を迫ってくる。それが当たり前になっとったけど、黙っとったらこの状態になった。
 梅毒やら淋病ばうつされるくらいならまだマシやったけど、HIVてなるとね……。あっち(中国)では、福岡は食い物と女の子の街て言うて紹介されとる事もあると。あと、九州の人はゴム(避妊具)をつける習慣が、関東や関西に比べて少なか気もしますね。夫婦や彼氏彼女の関係だったら、油断してゴムをつけない」
(2017.09.30 NEWSポストセブン 森鷹久)
 これに対し、県内最多となる計63人という報告数を出した福岡市を直撃すると、保健福祉局健康医療部保健予防課の担当者が状況を説明する。
「実は、この1年前の15年の報告数は計27人とかなり少なかった。そのため、増加率がハネ上がったのです。つまり、一昨年にきちんと検査を受けておらず、昨年にいきなりエイズを発症したケースが数字に反映されたのではないかと見ています」
(2017.10.02 アサヒ芸能 2017年10月5日号)
 新規報告者数(15年)で全国の感染者・患者の内訳は、日本人男性が約9割、感染原因は同性間性的接触が最多の約6割だった。福岡県も全国と同様の傾向だが、患者が3割程度の全国データに対して、福岡県の患者比率はほぼ半数で、発症してから報告されるケースが際立っている。
(2017.09.19 西日本新聞)
福岡市HIV感染者等情報(平成28年12月末現在)

(2017.09.29 福岡市保健福祉局健康医療部保健予防課)

 報道の常套句「日本だけがエイズ拡大」は誇張で、全国的には年間報告数は横ばい傾向なので、九州地域の報告数増加が話題になってるだけ。人口あたりの感染数が極端に多いわけではない。
報告地(医師により届出のあった地):東京都を含む関東・甲信越(HIV感染者514、AIDS患者185)、近畿(HIV感染者185、AIDS患者77)に多い。人口10万対では、HIV感染者数およびAIDS患者数上位10位に九州、四国の県が含まれる(表)。
(IASR 2017年9月号「HIV/AIDS 2016年」)
新規患者の年齢分布
年齢別の割合をみると、HIV感染者では20代〜30代が最も多く、AIDS患者では30代〜40代が最も多く推移しているが、2011年以降50歳以上の新規HIV感染者・AIDS患者総数が増加し、特にAIDS患者に占める50歳以上の患者の割合が急増している。また、70代、80代の新規感染者の報告がある一方で10代の新規感染者も認められており、感染年齢層の拡大が懸念される。
(IASR 2017年9月号「福岡県のHIV感染者・AIDS患者の動向」)

 梅毒やクラミジアなど「1回のセックスだけでも感染する可能性が高い」タイプの性病は、風俗店など不特定多数との接触で異性間感染が拡大しやすい。日本でも近年の梅毒感染拡大では、同性間感染の増加だけではなく、若い女性患者が急増している。ちなみに梅毒の感染拡大は最近の日本や中国だけの現象ではなく、日本でも欧米先進国などでも数十年周期で感染拡大と減少を繰り返している。
 全体の約7割を占める男性は各年齢層から偏り少なく報告されているが、女性は20代が女性全体の5割超を占め、感染増加が目立つ。男性の同性間の性的接触による感染だけでなく、近年は異性間での感染も広がり、患者増加に拍車がかかっているとみられるが、原因ははっきりしない。
(2017.01.13 朝日新聞)
梅毒はペニシリンによる治療が確立され、第二次世界大戦後以降、罹患数は大幅に減少した。しかしながら、先進国を中心に男性と性交をする男性(men who have sex with men: MSM)を中心とする報告が近年増加している。
(IASR 2015年2月号「近年の梅毒の国外動向」)

 ところが、HIVのように「1回のセックスだけでは感染する可能性が低い」タイプの性病は、コンドームを使えば感染しないので、生でアナルセックスを行う層の感染確率と膣性交しかしない層の感染確率に極端な差が出る。都市部で一般的な、フェラや素股などの擬似行為が中心の風俗店では、他の性病の感染拡大はあってもHIV感染は拡大しにくい。
 統計でも、同性間HIV感染は有名なハッテン場がある都市部の割合が多いが、異性間HIV感染は風俗街の規模とは比例せず、風俗嬢が性病検査を受けやすい病院の多い都内では感染拡大への影響が少ないように見える。年40人程度しかいない日本人女性HIV感染者・エイズ患者の年齢層は幅広く、増加もしていない。女性の約半数は出産が前提の妊婦健診で発覚しているが、高齢層でも夫婦間感染の割合が多い。性病検査を受けずに特定の相手と生中出しを繰り返すほうが感染しやすいので、近年の日本ではいわゆる「ゆきずりのセックス」や風俗でHIV感染する女性の割合が少ないのだろう。

 しかしこれは近年だけの傾向で、警察ドキュメント番組でよく登場する手口の海外からの人身売買による違法売春店を警察が長期的に泳がせていた1990年代には、地方の外国人売春パブなどで異性間のHIV感染拡大が起きていた。海外でも、娯楽の少ない地域で働く出稼ぎ労働者たちに、売春婦などを経由してHIV感染拡大後、さらに夫婦間でも感染拡大したとされる事例は多くの国にある。おそらく病院や保健所などが少なく、売春婦も常連客もその妻も長期的に性病検査しない環境だったことが共通する原因と考えられる。
 このため日本のHIV統計では1990年代、日本人女性よりも外国人女性の新規HIV感染者・エイズ患者のほうが多い時期があったが、人身売買摘発までの期間が短縮されたのか、近年では外国人女性の報告数は激減している。
「店にはタイ人が5人いたけど、売春をするのはビザのない者だけ。客の多くは40歳以上で、ほとんどがコンドームを使うのを嫌がった。10人いたら使うのは良くて半分。付けてと頼むと次から指名はなくなった。大きな声でののしられたこともあるし、店からも客に逆らうなと怒られた。大きな借金が残っているので従うしかなかった」と彼女は辛かった日々を振り返った。
「だからHIVに感染したのは、日本人客からだと確信している。タイで出産したときに受けた検査では陰性だったし、その後は夫と別れ、ほかに身の覚えもまったくない」
 平成16年から昨年までの4年間で、タイ大使館が把握している人身売買被害は62件。うち半数以上の34件が長野県で発生している。この数字は、警察による検挙や被害者本人が助けを求めるなどして明らかになったケースで、実数はそれよりはるかに多いが、確かなのは長野県が人身売買の一大拠点となっていること。
(2008.08.01 産経新聞 2ch.net
国籍別、性別、年齢階級別の年次推移(HIV感染者)

(2016.05.25 エイズ発生動向年報 厚生労働省エイズ動向委員会)
(注・10歳未満の新規HIV感染報告は母子感染)

 似たような釣りタイトルで煽っていても、アサヒ芸能の記事のほうは厚生労働省エイズ動向委員会の統計や福岡市保健福祉局のコメント程度は併記している。専門家が監修するまでもなく、自治体や厚生労働省がネットに公開している統計を見ただけでわかるデタラメな説だけを載せてしまうのは、安易に消費できる差別的ネタ記事が求められる構造が、NEWSポストセブンにもあるのだろう。
 なぜこんなデタラメなことがまかり通ってきたのか。ある医療情報サイトの元編集長が語る。
「ネットサイトも慈善事業でやっているわけではありません。“1クリックいくら”という広告ビジネスで、経営者からは“とにかくコストをかけずにたくさん記事を配信してビュー数を稼げ”と要求されます。海外の医療情報サイトでは、医師や研究者などプロの医療関係者が監修するなどして内容をチェックする体制があります。ただし、そうすると1本の記事を作るのにコストがかかりすぎる。手っ取り早く稼ぐために、監修者を置かず、他のサイトを丸パクリし、記事をまとめるライターにもギャラは1本1000円ぐらいしか払わないということが横行してるんです」
 そのようにして、もはや匿名のネット掲示板の内容と大差ない記事ができあがる。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏はこう指摘する。
「IT企業はコンテンツ(記事)に“愛”がないんです。真実を書こうとか、噂を流さないようにしようとか、取材先に敬意を払うとか。もし間違った内容を書いても、記事を削除すればいいぐらいにしか考えずに、十数年もやってきた。
 ネットメディアが乱立してきたので、編集の訓練をされている“プロの編集者”がそもそも少ない。著作権も肖像権も差別用語も薬機法も知らないまま、サイトの責任者をやっている人も多いんです」
 DeNAがサイトを閉鎖した後、他のIT企業が運営している同じようなサイトでも同じようなトンデモ記事が見つかり、こっそりと次々に削除されている。ネット拝金主義の“バカの壁”は高い。
(2016.12.15 NEWSポストセブン ※女性セブン2017年1月1日号)


・関連
→ 法輪功が捏造した「陰性エイズ」デマを夕刊フジが拡散
→ TVタックルで性感染症自己責任論
→ デタラメなエイズ噂話をネタにした週刊誌の記事
→ HIV感染者への偏見を広める夜回り先生の被害妄想

2017.06.17 Saturday

今後排除される危険性があるのは性犯罪を扱う創作物だけではない

 昭和の治安維持法と同様、現実の犯罪を実行していない一般人でも、犯罪っぽいことを計画したとみなされただけで処罰の対象になりかねない共謀罪は、過去に繰り返し国会で審議され廃案になってきた経緯があります。ところが今国会では「組織犯罪処罰法改正案」に「テロ等準備罪」を新設する名目なのにテロとは無関係に対象犯罪を大幅に拡大した法案として提出され、政府の趣旨説明も一貫しないまま、衆議院では強行採決、参議院では委員会を省略する異例の「中間報告」で採決を強行され成立してしまいました。
 過去の国会で議員として共謀罪審議に関わっていた保坂世田谷区長のブログでは、成立した共謀罪の多くの問題点がわかりやすく指摘されています。
保坂 じゃあ、「等」とはなにかというと、テロを除くすべての組織的犯罪だというわけです。「等」のところが非常に多い。外務省は「テロ等準備罪」という言葉を使わないんですよ。「計画罪」という言い方をしています。これはあまりにも、矛盾があるからですね。ここには、印象操作があると思います。
「テロ等準備罪」と聞くと、多くの人は一本の法律ができるんだと勘違いします。「テロを共謀の段階で取り締まる一本の法律」というイメージです。実際には、爆弾や生物化学兵器などのテロに対しての共謀罪とか予備罪は、すでに日本にはある。そのことをちゃんと理解する必要があります。
(2017.05.02 保坂展人 鈴木耕 矛盾だらけの「共謀罪答弁」と「テロ等準備罪」という印象操作(対談・動画))
金田法務大臣は「一般の人は捜査の対象とならない」と述べながら、盛山法務副大臣は、「捜査上、一般の人を対象とした調査はありえる」としていて、答弁は食い違っています。これまでの政府の説明は、「組織的犯罪集団を対象とするもので、およそ一般の人が対象になるものではない」というものでしたが、「組織的犯罪集団」の定義や範囲が、大きな論点となります。「正当な目的で活動する団体でも、変質して組織的犯罪集団となる場合がある」とも言われています。
(2017.04.24 保坂展人 「277の共謀罪」に「テロ等準備罪」がないのはなぜか?)
ここからが問題です。「一般の人」と自他共に認識している人であっても、「組織的犯罪集団との関与」が疑われる事態となり捜査対象となった段階で、「一般の人」ではなくなる。つまり、捜査対象となったのは「非・一般の人」なので、「一般の人」を捜査対象としたことにはならないという理屈です。金田大臣の答弁を分解するなら、「仮に、組織的犯罪主集団に関わる者として『一般の人』の人が捜査対象になったと考えると、その時点で『一般の人』とは呼べない存在になるから、あくまで『一般の人』は無関係である」という論旨が答弁の本質なのではないでしょうか。
(2017.05.10 保坂展人 共謀罪の対象ではない「一般の人」はどこにいるのか?)
 「犯罪の主体を組織的犯罪集団に限定したので一般人は処罰対象にならない」としていた点も今月に入って説明が変わった。一日の参院法務委で金田勝年法相は「組織的犯罪集団と関わりがある周辺者が処罰されることもあり得る」と答弁を一転。林氏も「構成員以外を一般人というのなら、一般人が計画に参画することはあり得る」と認めた。
(2017.06.14 東京新聞)

 恣意的な運用の危険性が指摘されているにもかかわらず、法案を審議する国会では、野党議員に自民党の土屋正忠理事が「テロ行為だ」とヤジを飛ばしていました。どういうつもりなのでしょうか。
 「共謀罪」法案を審議した二十一日の衆院法務委員会で、法務省の林真琴刑事局長の席に詰め寄った民進党議員に、自民党の土屋正忠理事が「テロ行為だ」とヤジを飛ばしたとして、民進、共産両党が抗議した。
(2017.04.22 東京新聞)

 そして共謀罪の成立と同じ日に埼玉県警は、複数の性犯罪で逮捕されていた性犯罪者が1件の犯行について「(著作権者に無許可でネットに公開されていた)成人向けの同人漫画をまねてやった」と供述したことを理由に、その性犯罪者とは面識がない漫画家の自宅を訪問、法的根拠もないのに漫画家側に対して「作品内容が模倣されない配慮」などを要請し「少女が性的被害に遭うような漫画は今後書かない」との返答があったとして「(他の事件でも)同様のケースがあれば今後も申し入れを検討する」意向を複数の新聞社に伝えました。どういうつもりなのでしょうか。
 県警は今月7日に漫画家を訪ね、作品内容が模倣されないような配慮と、作中の行為が犯罪に当たると注意喚起を促すことなどを要請した。漫画家は「少女が性的被害に遭うような漫画は今後描かない」と了承したという。県警幹部は「表現の自由との兼ね合いもあり難しいが、社会に与える影響を考慮した。同様のケースがあれば今後も申し入れを検討する」としている。
(2017.06.14 毎日新聞)

 もし犯罪者が手口を模倣する可能性が本当に問題なら、この新聞記事などで事件の手口を公開することにも同じ問題があるはずです。なぜ漫画家だけ自粛要請されたのでしょうか。
 弁護士など多くの人が埼玉県警の行動について疑問を呈していますが、暴力的な漫画を描いていた漫画家が配慮を求められるのは当然であるかのように警察の圧力を擁護する人もいるようです。しかしこの性犯罪者は漫画に描かれていた手口以外でも複数の性犯罪で起訴されている常習犯であり、漫画を排除すれば性犯罪を犯さなくなるわけではありません。そして、どの新聞社の記事を見ても埼玉県警は「エロ漫画限定で自粛要請する」とは言っていません。警察は「申し入れ」圧力の前例作りとしてエロ漫画家を利用したかっただけです。
 2009年には、警察がコンビニに対して暴力団を扱った漫画の取り扱い自粛要請を行った前例もありました。極端な対象を選びながらじわじわと前例を踏み越え、治安維持法があった時代のように、すべての出版物について憲法違反の検閲を正当化しようとしているようにも見えます。
 刑法学者で、共謀罪に反対の論陣を張ったことでも知られる京都大学・高山佳奈子教授は「表現の自由に対する重大な脅威」と懸念を表明。AERA dot.の取材に「性表現は弾圧されやすいが、同じ理屈ならミステリー小説やホラーなども規制されるべきことになってしまう」とコメントし、また「そもそも有害図書等規制が行われている趣旨は“子どもがまねをする”ためで、大人はまねをしないことが大前提。(表現物を)勝手にまねをする大人が出ても、それは100%その個人の責任」と、容疑者の供述に何ら正当性がないことを強調する。
(2017.06.15 AERA dot. 佐藤圭亮)
 この〔福岡県警から福岡県コンビニエンスストア等防犯協会への〕要請書には、「これらは暴力団を美化する風潮があり、青少年が誤った憧れを抱き、暴力団に加入してしまう恐れがあることから、売り場からの撤去を検討すべきだと考えている。ご理解の上、適切な措置をお願いしたい」とあった。
(「暴力団排除」と言論規制/宮崎 学)

 2017年の国会では禁欲教育論者の自民党・赤枝恒雄衆院議員が、青少年同士の出産問題を扱った性描写のない漫画原作の映画「コドモのコドモ」を名指しして、別のドラマの話と混同させるように映画とは異なる内容を語り、悪影響だと中傷していました。「コドモのコドモ」は原作漫画にも映画にもいっさい性描写がない作品ですが、映画が公開された2008年当時に、元「世界日報」記者で、安倍晋三・岡崎久彦の対談本「この国を守る決意」の編集者で、「新しい歴史教科書をつくる会」元理事で、「美しい日本をつくる会」代表だった純潔教育論者の桜井裕子らがチャンネル桜などで誇張した解釈をもとに批判を行っていたため、いまだにデタラメな伝聞情報だけで中傷され続けているようです。
 以前から性教育弾圧を行ってきた自民党は宗教色の強い青少年政策を推進し、表現規制を強める「青少年健全育成基本法案」も繰り返し提出しているので、今後は警察がこのようなカルト議員の指示で、性教育的な趣旨であっても青少年の出産問題を扱う創作物全般に自粛を求めるような危険性も考えられます。
 社会の中のいろいろなメディアも悪いんですけれども、「十四才の母」なんていう大ヒットしたテレビ番組があったんですね。「十四才の母」、これはよくできていました、ストーリーが。塾に行って、塾に行っているということで、ちょっと遊んでいて、女の子とたまたま川に入っちゃって、ぬれたから乾かそうと思って小屋に入ったら、そういう関係になっちゃったということ。僕たちこれでいいの、いいのと言いながらしちゃっているんですけれども。
 それから「コドモのコドモ」という、これは小学生同士が、くっつけっこというのがはやった時期があるんですよ。くっつけっこをやったときに、やはりできちゃった。
 今言ったとおり、日本では合法ですよ、十四歳のセックスは。ところが、外国、八十九カ国は、十四歳の性行為はレイプ事件ですよ。ましてや小学生は。しかし、日本ではそれは認められていて、こういうメディアの番組の悪いのは、そういう、子供たちが性行為をして、結末はみんなハッピーエンドです。最初は親は反対していた、ずっと。おろしなさい。病院まで行った。だけれども、子供は逃げて帰ってきて、嫌だ、産みたい。親も反対していたけれども、産んだ。その後は、おじいちゃんもおばあちゃんも子供を愛してくれて、ハッピーエンド。
 僕は、こういう余り好ましくない行為自体がハッピーエンドで終わっているというのは、子供たちに対する影響も余りよくない。
(2017.02.22 赤枝恒雄衆院議員 第193回国会 予算委員会第三分科会)
「コドモノコドモ」という映画です。これはフィクションですが、11歳、小学校5年生の春菜ちゃんという子が子供を産むというものです。ランドセルを背負った小学校5年生が子供を産むというストーリーでございますけれども、日本ではこれまで「14歳の母」というテレビドラマがございました。
(2008.09.28 桜井裕子)

・関連
→ 小池百合子と表現規制を推進する宗教組織と高橋史朗の関係
→ 赤枝恒雄議員は以前から問題発言の多い自己責任論者(過去発言まとめ)
→ 赤枝医師の発言の信憑性
→ TVタックルで性感染症自己責任論
→ 集票に利用される宗教と政治家を利用する宗教

2016.12.08 Thursday

パチンコ企業を営業時間や賭金の規制がないカジノに参入させるカジノ解禁は依存症を悪化させる

 自民・公明と維新が異例の短時間でカジノ解禁法案を成立させる国会運営を新聞各紙が批判する一方で、ネットではカジノ解禁を正当化したがる言説があふれていますが、悪質な嘘が多いです。

 まず、橋下徹などによる「既にパチンコや公営ギャンブルによるギャンブル依存症があるから同じ」説ですが、アメリカでギャンブル依存症を研究するマサチューセッツ工科大学のナターシャ・ダウ・シュール教授は、営業時間や賭金に制限がないカジノの連続性が依存症につながると指摘しています。終日ギャンブル場にいる常連客を見たことがある人なら想像がつくと思いますが、営業時間規制がないと依存症患者は持ち金がなくなるまで家に帰らず、問題は悪化します。IR法案は従来型のギャンブル営業規制に抜け穴を作り海外カジノ並みに24時間営業で青天井のカジノ営業を可能にする「国際競争力の高い」規制緩和が前提。パチンコ企業を営業時間や賭金の規制がないカジノに参入させるカジノ解禁は、依存症を悪化させる危険性が高く「包括的なギャンブル依存症対策」とは矛盾します。
“Another core aspect of the addictiveness is their continuous nature. You’re not interrupted by anything; you’re not waiting for the horses to run, you’re not waiting for the guy next to you to choose his card to put down; there’s no roulette wheel spinning. It’s just you and the machine. It’s a continuous flow without interruption,” Schull said.
(2011 Slot Machines: The Big Gamble CBS 60 Minutes)
第六条 政府は、特定複合観光施設区域が地域の特性を生かしつつ真に国際競争力の高い魅力ある観光地の形成の中核としての機能を備えたものとなるよう、必要な措置を講ずるものとする。
(特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律)
確かに自助グループへの支援など依存症対策の強化は必要ですが、依存症が完治しない病気である(回復はするが、いったん依存症になったら脳の状態は戻らない)ことを踏まえると、依存症対策をすればカジノを作っていい、という主張は「消防車を増やすから火事を出してもいい」といったレベルの論理であり、まさにマッチポンプでしかありません。
(2016.12.06 稲葉剛)

 「カジノ反対派はパチンコ業界と癒着」説はまったく逆。海外カジノにも参入実績があるパチスロ大手ユニバーサル社からファミリー企業に毎月100万円のコンサルタント報酬を受け取っていた自民党の石原宏高議員のように、パチンコ企業と密接な関係にあるのはカジノ推進派議員のほうです。ユニバーサル以外のパチンコ大手セガサミーやダイナムもカジノ参入を公言。カジノを推進するIR議連の幹部はパチンコ業界団体の「政治分野アドバイザー」も務めています。収益悪化で衰退しているパチンコ業界が、大幅な規制緩和になるカジノ参入を狙っているだけで、カジノ推進派とパチンコ業界が対立してるわけではありません。パチンコ企業と密接なIR議連はカジノ解禁と同時にパチンコの換金も合法化していく方針だそうです。
 なんとも不思議な「コンサルティング契約書」である。
 平成23年6月1日に結ばれ、甲は石原宏高代議士の夫人が代表の有限会社IMS。乙は遊技機メーカー・ユニバーサルエンターテインメント(UE)の香港法人で、岡田和生UE社会長がサインをしている。
(2013.03.21 現代ビジネス 「比カジノ事業の疑惑が日本に飛び火!? 石原宏高代議士のファミリー企業に月100万円のコンサル料を支払ったUE社の思惑とは」 伊藤博敏)

 「カジノ法案に反対した野党はパチンコや公営ギャンブルに反対してない」説はデマで、少し検索しただけでも、赤字競輪場の廃止場外発売所パチンコの出店地域規制を厳格化などのギャンブル規制が提言されています。議会でパチンコや公営ギャンブル施設の乱立を容認してるのは自民党側です。
1980年代以降、各ギャンブルとも、売り上げが減り、赤字経営に陥るなど地方自治体の足かせになっているところも出てきました。政府はその売り上げを伸ばすために、「競輪・オートレース法改正案」(2002年)、「競馬法改正案」(04年)を出してきました。日本共産党は、この法案がギャンブル事業の業務を民間事業者に委託できるものであり、競馬で重勝式投票方法でのギャンブル性の拡大、学生の購入制限の解除などが盛り込まれていることから、反対しました。
(2007.02.24 しんぶん赤旗)

 「カジノは富裕層向け」「パチンコより健全」「カジノの入場年齢制限はパチンコより厳しい」説は嘘。現在の海外カジノで主流のビデオスロットは、1回に最大200ラインまで賭けられる機種や、オンラインで数百台を連動させる高額ジャックポットの広域型プログレッシブマシンなど、演出効果も射幸性も中毒性もパチスロ以上で、1セントから賭けられるペニースロット。48州でカジノが解禁されているアメリカでは、カジノ区域外の空港やコンビニや飲食店にまでスロットマシンが並んでいて、出店地域制限も入場年齢制限も機能していません。日本のパチンコ店駐車場で乳幼児の死亡事故が多発した原因は、風営法により入場年齢制限が厳格化され、地方によってはベビーカーの入店まで禁止する警察指導が行われたからで、入場年齢制限はパチンコのほうが厳しそうです。つまり海外カジノ並みの「国際競争力の高い」IR施設を運営する場合、パチンコより入場年齢制限が緩和されてしまいます。
日本のパチスロにはない多彩なゲーム性が楽しく、なかなか飽きることがない。ラスベガスでは空港、コンビニ、スーパーなど、街中のいたるところにスロットマシンが置いてあるが、人気の理由はやはり、そのゲーム性の高さだろう。
(2014.07.16 SPA!)
ペニースロット なぜ楽しいのか。それは的中パターンや的中ラインが増え(たとえば右写真の場合、的中ラインが20ある)、的中率が劇的に高まるからだ。簡単に言ってしまえば、「回すたびに毎回何かが当たりそう」といった楽しい気分でプレーできるというわけだ。
 毎回当たっていたのではカジノ側が儲からないような気もするが、そんな心配は無用だ。じつはペニースロットといっても、1セントだけ賭けてプレーしている者などほとんどいない。一度に数十枚賭けるのが常識で、メーカー側の話によると、統計では平均約70枚賭けているという。そして各当たりの配当は必ずしも賭けた枚数よりも多いとは限らないのでカジノ側は損をしないというわけだ。
(2005.08.10 週刊ラスベガスニュース)

 「カジノは外国人観光客向け」説は嘘で、カジノを推進するIR議連はすでに「外国人限定」案を「カジノ施設の運営が成り立たない」として撤回しました。当初「外国人専用」としてカジノ合法化したベトナム韓国でも、後に自国民も入場可能に法改正しているように、外国人観光客だけでは経営が成り立たない施設が大半なのが現実。48州でカジノが解禁されているアメリカでも地元住民向けのサービスに注力するローカルカジノが増えています。
 外国人への入場限定案については、維新の党などに「カジノ施設の運営が成り立たない」などの慎重論があった。
(2014.10.10 日本経済新聞)

 「カジノで税収が増える」「成長戦略の目玉になる」説には無理がある。現在パチンコの貸玉料金には消費税がかかっていて、不正カード防止のため警察OB天下り会社がカード売上や利用状況をオンライン監視しているので、賭金あたりの税率は高く脱税もバレやすく、店が赤字でも消費税の納付義務があります。ところが「国際競争力の高い」海外並みルールのカジノでは客への還元率が95%以上なので、パチンコ企業と客をカジノに移行させると賭金あたりの税率は激減。IR施設の維持にも費用がかかるので、海外でも集客が減り赤字に転落しているIR施設が多く、長期的な税収増は困難。カジノ移行するパチンコ企業への減税になるだけ。
 公営ギャンブルと比較しても、たとえば競輪場は賭金の20%以上が運営自治体の取り分なのに、運営赤字で撤退する自治体が多いのが現状。運営の取り分が少ないカジノで税収が増えるとは考えにくい。
 シンガポールは、カジノ付き統合リゾート(IR)が売り上げを落としている。同国でIR「リゾーツ・ワールド・セントーサ」を運営するゲンティン・シンガポールは、2015年10〜12月期の最終損益が780万シンガポール(S)ドル(約6億3600万円)の損失となり、前年同期の8920万Sドルの黒字から赤字に転落した。富裕層客の減少などが要因だ。
(2016.03.04 SankeiBiz)

 「日本のパチンコ・公営ギャンブル売上は海外カジノ売上より多い」説は比較する数字の間違い。パチンコや競馬競輪競艇の売上は「賭金の総額」ですが、海外カジノの売上として公開されている数字は「賭金の総額から客への配当金を差引いた収益」。海外カジノは客への還元率が95%以上なので、数字が低く見えるだけ。
・カジノ売上高:カジノで顧客の賭け金の総額から、顧客に支払った額を差し引いたものを基本とし、金額を調整したもの。各国の会計基準や各社でそれぞれ「Casino Revenue」、「Gross Gaming Revenue」、「Gross Gaming Win」、「Operating Revenue」等の用語が用いられ調整項目が異なるが、本レポートにおいては便宜的に「カジノ売上高」と定義する。
(平成26年6月 東京都 IR(統合型リゾート)に関する調査業務委託報告書)

 「カジノ運営はアメリカのカジノ大手」という話は最初だけで、最後まで面倒を見てくれるわけではありません。アメリカのカジノ大手MGMリゾーツとラスベガス・サンズはベトナム進出時、カジノを「外国人専用」とする法規制が経営に不利と判断、開業直前で撤退した前科があり、儲からないと判断したら即撤退します。カジノも日本の公営ギャンブル場と同様に長期的には収益が悪化する例が多いのですが、もしアメリカのカジノ大手が日本から撤退した場合、日本でカジノを運営するのはパチンコ企業ばかりになりそうです。
アメリカのカジノ大手ラスベガス・サンズも、ベトナムでの計画が頓挫した。これらは、ベトナム国内の住民にカジノで遊ぶことが認められそうになく、中国からの旅行客だけに頼ることは経営に不利だと判断したためだという。
(2013.12.19 NewSphere 「建てれば客が来る」アジアのカジノ建設ブームに海外紙が警鐘)

 「カジノはIR地域にしか設置されない」条文も信用できません。競馬なども合法化当初は地域限定でしたが全国に拡大、場外発売所やネット販売も解禁されました。しかも競艇では、法律上の明文規定がなかったのに監督官庁が全国に場外発売所を認可していた前例があります。名古屋などで住民が設置に反対する行政訴訟を起こしましたが、法律にない場外発売所も「他の公営ギャンブルで前例があるから」と裁判所が認める判例を出してしまいました。この判例に従うと、カジノも「他の公営ギャンブルで前例があるから」と、全国的な場外カジノやオンラインカジノを監督官庁の認可だけで解禁される可能性があります。日本のギャンブルは監督官庁の利権になっていて、事業全体の売上低迷が問題になると安易な規制緩和が強引に行われる傾向があるので要注意です。
このように,自転車競技及び小型自動車競走においては,法律の明文において場外発売場の設置が認められているのであるから,同種の公営競技で共通の構造を有する競走法や競馬法が,場外発売場の設置を認めない趣旨で立法されたものと解することには合理的な理由がなく,そのように解すべきものとは認められない。
(平成18年7月20日 名古屋地方裁判所民事第9部)

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【追記】

 「依存症患者のギャンブル利用をマイナンバーで制限」案は悪用される危険性が高いです。競馬など既存のギャンブルでも一時的に設定された高額入場料や入場制限が緩和されてきた歴史があります。カジノ法案を通過させる言い訳の依存症対策も数年後にはギャンブル依存症とは無関係なゲーム規制だけの話に矮小化され、マイナンバーはギャンブル施設の集客目的にだけ悪用される事態になりかねません。アメリカの地元民向けローカルカジノでもリピーターを囲い込むために様々な工夫が行われています。
 具体案としてあがっているのがマイナンバーを活用して入場回数を管理する方法。過去に依存症と診断されたことがある人や、依存症の疑いがある人に対し、入場回数を制限したり、入場を禁止したりする制度を検討します。上限回数などは与党協議で詰めるとのこと。
 この方針では「入場回数の制限や禁止に当たるかどうかを調べるために、全入場者がマイナンバーを提示」しなくてはならないことになります。
 つまり、自らの社会保障や税番号の制度である「絶対他人に知られてはいけない」はずのマイナンバーを持ち歩き、カジノの入口で提示するというまるで冗談のような事態になってしまうのです。
(2016.12.19 BUZZAP!)
 統計によるとラスベガスのカジノの売り上げの3分の1は地元民、3分の1が車で4〜5時間で来ることができる南カリフォルニア(ロスアンゼルス、サンディエゴ地区)からの来訪者、そして残りの3分の1がニューヨークやシカゴなどの全米各地および世界各国から航空機を使ってやって来る観光客によって支えられている。
(1998.09.16 週刊ラスベガスニュース)
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