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2008.01.05 Saturday

「HIV検査目的の献血」は本当に多いのか

 献血を受けた10万人あたりのHIV(エイズウイルス)陽性者数が2007年は初めて2.0人を超える見通しとなったことが27日、日本赤十字社の調べで分かった。厳格な検査ですり抜けを食い止めた危ういケースも例年の数倍に。背景にはHIV検査を目的とした献血者の増加があるとみられ、日赤は「検査目的」をやめるよう訴えるキャンペーンに乗り出す。
 同日開かれた厚生労働省の薬事・食品衛生審議会の血液事業部会で報告された。献血を受けた10万人あたりのHIV陽性者は1月から12月中旬までの集計で2.06人。年間を通じて2.0を超える可能性が高い。1.0人を初めて超えたのは1999年で1.042人。その後右肩上がりで増え続け、06年は1.744人だった。
(2007.12.28 日本経済新聞)
検査で感染が判明する件数は年々増加し、2006年には87件がHIV検査陽性と判定されました。献血者10万人当りの陽性率は1.74人となりますが、これは厚生労働省エイズ動向委員会に報告された2006年のわが国の人口10万人当りの新規HIV感染率1.03人より高くなっています。一般国民より献血者集団の方がHIVに関しては感染率が高いという、諸外国には例のない異常な状態になっています。
(東京都赤十字血液センター)
 献血者の陽性率は日赤血液センター(BC)での検査開始以来上昇の一途をたどり、2002年には578万人中82人がHIV検査陽性で、10万人対1.42となった。地域別陽性率では、首都圏(都、神奈川、埼玉、千葉の各県)が最も高いことにかわりはないが、2000年をピークに減少してきているのに、大阪ブロックでは急激な増加をみている。献血頻度別では初回者は10万人対2.77、複数回者は1.24と推定され、初回者の陽性率が2倍以上高いが、陽性者の献血歴が数十回あるいは百回以上という例もあり、repeat donorが必ずしも安全とは言い切れないことが明らかになった。
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 妊婦の検査後の分娩数については、昨年同様に、HIV検査状況と陽性者数の調査を行った。日本産婦人科医会定点モニターの661施設からの検査数170,494中での日本人は6人で3.67/10万人であり、HIV拠点病院247施設からの検査数82,500中での日本人は13人で16.1/10万人であり、感染妊婦は拠点病院に集まる傾向があるが、2001年の陽性率と比較すると同等ないし上昇する傾向がうかがえた。
(2002 国立国際医療センター HIV感染症の疫学研究)

HIV母子感染予防対策マニュアル(2006年3月)」によると、2005年の産婦人科での妊婦HIV検査率は94.7%、妊婦HIV検査件数は433,992件で、報告されたHIV感染妊婦は34人。つまり妊婦10万人あたりのHIV陽性者は7.83人で、献血者・献血初心者よりはるかに高い陽性率だということがわかる。
2005年のアメリカの調査で、妊婦はHIV感染リスクが倍になることがわかった。
(2007.11.08 International AIDS Society)(SFD)

HIV感染妊婦は適切な治療を受けなければ出産時に母子感染するリスクが高い。妊婦検診でのHIV検査は出産を前提にしたもので、もし本人にHIV感染予防の知識があれば妊娠する前に検査を受けているはずだ。

出産のために妊婦検診を受けた妊婦は3〜5%がクラミジアに感染しているという。献血者や妊婦に限らず、一般的に性感染症の予防知識が不足しているので、自分からHIVや性感染症の無料検査を受ける人が少なすぎるのではないか。

厚生労働省は各都道府県にHIV検査などエイズ対策の強化を求めているが、保健所を統廃合してHIV検査を縮小する県もあり、2006年の保健所等での無料HIV検査件数は1992年の半数程度でしかない。
国内のエイズウイルス(HIV)感染者とエイズを発症した患者が増え続けるなか、感染者らが集中する都市部の東京や大阪など5自治体のエイズ対策予算の総額が、今年度は約4億円と約10年で3分の1まで減少していることが17日、厚生労働省のまとめでわかった。財政難で、効果の見えにくい普及啓発事業などが大幅削減されているという。
(2006.09.18 日本経済新聞)

献血初心者にはその場でカウンセリングと感染症検査を行い、後日改めて献血してもらうほうが現実的な対応かもしれない。日本赤十字社から見れば、なぜ保健所のエイズ対策予算削減の尻ぬぐいをしなければならないのかという憤りもあるだろう。保健所での無料HIV検査を知らない献血者が約40%という報告もあった。

北海道赤十字では2000年に、問診調査で献血不可と判断した人にHIV検査サービスを試行したこともあるという。しかし献血の代わりにHIV検査を受けた64人の中にはHIV陽性者はなく、献血受付者199,338名のうちHIV陽性だったのは献血回数43回の男性だけだった。このような追跡調査は他にも行われているが、HIV検査目的の献血者=HIV陽性者という結果にはならないようだ。

2017.06.19 Monday

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