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2008.01.16 Wednesday

HIV感染者への偏見を広める夜回り先生の被害妄想

「夜回り先生」こと水谷修がよくテレビ番組や講演などでエイズで死んだ少女の話をしているらしい。DVDを見たあと、いくつかのブログで夜回り先生の講演を要約したものを読んだが、HIV感染について不正確な内容が多い。どうやら夜回り先生は宗教的な理由でHIV感染者や治療について偏見があるように感じられる。講演内容には誇張があり少女の死亡時期や死因が異なる話をすることもあるようだ。この話のような「精神的に不安定な少女」は実在した可能性もあるが、本当はエイズではなかったのだろう。HIV感染者に偏見の強い夜回り先生はHIV治療を理解しているようには見えない。
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【※追記】日本では感染症法によってHIV感染者・エイズ患者は全数報告が義務づけられているが、厚生労働省エイズ動向委員会報告では、これまでに20歳未満で死亡した日本人女性HIV感染者・エイズ患者はいない。
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「先生は知ってるぞ。HIV告知を受けた少なからぬ男が最初にすることは、夜の街に出てできるだけ若い女性を買ってうつそうとすることだ。お前と同じ発想の男がいることを忘れるな。」
(DVD「夜回り先生・水谷修のメッセージ2」)

夜回り先生は自分がHIV感染者になる可能性なんて考えたこともないのだろう。夜回り先生のHIV感染者に対する言葉からは「おまえらHIV感染者は殺人エイリアンだ」という拒絶しか感じられない。夜回り先生はこのような言葉で以前から不安定な少女を心理的に追いつめ、よけいに少女が現実から逃避していたように見える。

現実には保健所や病院の検査でHIV感染がわかった場合、まず再検査とカウンセリングが行われる。HIV感染者には他の感染症に合併した場合のリスクも説明される。
HIVに感染した後、他の性感染症にかかった場合、その性感染症は、重症化したり治るのに時間がかかったりします。
(HIV感染者向けハンドブック「HIV患者ノート」)

HIVに感染しても治療を受ければエイズ発症は抑えられる。HIV感染リスクは誰にでもあることで「感染したら人生終わり」などと短絡的に考えることはない。日本ではHIV感染者は「免疫機能障害」として自立支援医療の対象になるので治療費の自己負担額も抑えられる。HIV感染者を支援する非営利団体も多い。
HIV感染症に対しては、1998年より免疫機能障害として障害者福祉諸制度の活用の道が広がった。
(厚生労働省 抗HIV治療ガイドライン)

しかし宗教的な偏見の強い国ではHIV感染者を怪物のような自分とは違う存在としか考えない。例えばキリスト教系カルト信者が全人口の3割を占め儒教社会でもある韓国では、エイズへの偏見が根強いためHIV陽性者の死亡理由の3割が自殺だという。
韓国疾病管理・予防センター Korean Centers for Diseases Control and Prevention(KCDC)は、死亡したHIV陽性者の約3割において、死因が自殺によるものであったという衝撃的な事実を発表した。
KCDCによれば、2007年初頭までに通算で4,755人のHIV陽性事例があり、このうち864人がすでに死亡している。この死亡事例の中で、自殺によるものは258件である。さらに、自殺するHIV陽性者は、過去5年、増加の一途をたどり、2002年は18人、2005年は26人、そして昨年は33名となっている。
(2007.05.03 Korean Times)

「HIV感染者がわざと感染を拡大する」という被害妄想はエイズ偏見が根強い国に多く、そういう国ではHIV感染者による脅迫容疑等の報道もある。しかしそれはまさに夜回り先生のいう拒絶された生徒が追いつめられた結果に起きることと同じだろう。エイズ偏見が強くHIV感染者に対するサポートが不足している社会では、HIV感染者は生きづらい状況になるのだ。

夜回り先生の話には薬物中毒患者に対する偏見も感じられた。身近にドラッグに接する子供が多いと夜回り先生が本当に感じているなら、薬物中毒患者の社会復帰を否定するような考え方はしないはずだ。夜回り先生は話の中で自分の生徒にはとても寛容に接していることを強調しているが、それ以外の薬物中毒患者の人権はまったく考えてないようだった。

例えば一部のキリスト教系カルト信者はよく社会的弱者の人生を全否定するような発言をするが、これは「ボーン・アゲイン」などの御都合主義的な宗教儀式によって人生をリセットできると考えているからだろう。しかしそんなインチキ宗教の信仰を前提にした人格否定は誤解を招きやすい。
 ブッシュ氏は20代から深酒をしてアルコール依存症になり、飲酒運転や窃盗、フットボールスタジアムでの乱闘などで3度の逮捕歴がある。コカインに手を出したとも言われる。
 だが、「不惑」直前の39歳で、キリストによって救われたという体験(ボーン・アゲイン)を重視するキリスト教の一派「福音派」の指導者に出会い、改心。40歳の誕生日から酒をやめ、文字通り、生まれ変わった。
(2005.10.31 ZAKZAK)

もちろん夜回り先生はいい話をすることもあるし悪意はないのかもしれない。しかし夜回り先生の講演に感動したというブログにはHIV感染者への偏見ばかり書かれているものも多く、夜回り先生がHIV予防教育に貢献しているとはとても思えなかった。

2017.11.05 Sunday

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コメント
影響力のある人間の言葉は怖いです
水谷を尊敬している人は水谷のいうことはすべて正しいと思ってる人間が多いですね
あのひきつける話術は一級品ですが、逆にそれで間違ったことでも正しいことのように思わせられてしまう
子供と真剣に向き合ってるからといってすべてが正しいとは限らない
水谷本人も自分のすべてが正しいなんて思ってないのでしょうが尊敬してる人間が正しいと思ってしまってるんですよね
  • 2009/03/31 4:45 AM
水谷を尊敬している人の大半は知的好奇心の低い若者ばかりで
彼の思想的なものには全く関心がありません。単に若者に都合の
良い話をして助けてくれるという存在という意味で尊敬して
いるだけです。

当然、夜回り云々にしても、若者は夜遊びをやめるわけもなく、夜遊びをしている自分を擁護して見守ってくれる親切な大人にしかなってません。


仏の説法のような形で聞いてるので、自分の事として
考える事もありませんから、それが正しいのかどうなのかとか考えません。

性の問題など”寝物語”のように聞く話ではなく議論すべき内容のものですが、そうならないのは、彼が「物語の主人公」を演じすぎるからです。

  • k
  • 2009/11/17 2:46 AM
HIV感染者が自暴自棄になって相手をとっかえひっかえ性行為をして感染を拡大させるなんてよくある話だと思いますけどね。

だからこそカウンセリングなどを受けさせて精神を安定させるわけですし
  • 名無し
  • 2015/09/25 6:11 PM
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