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2010.02.27 Saturday

野田聖子が中絶禁止と養子縁組制度拡大を主張

 自民党の女性議員代表を自称し、次期自民党総裁選への出馬に意欲を示しているらしい野田聖子が、日経ビジネスのインタビューで中絶禁止を主張していた。
 今は理屈じゃなく、ありとあらゆる手立てを使って、去年より1人でも子どもを増やす努力をしなければいけない。私は、思い切って母体保護法に手をつける、つまり中絶禁止までコミットしてもいいぐらいの気持ちです。
 例えば私もかかっていた不妊治療は、助成金が出ます。でも体外受精児は新生児約100万人のうち年間に2万人弱です。
 一方、1年間の中絶件数は公称で20数万人と言われています。保険適用外なので実際には2〜3倍近い堕胎があるのではないかと、NPO(非営利団体)法人などが言っています。変な話、これを禁止したら、産まざるを得ない人が出てくる。
 もちろんこれは相当極端な話で、現実には難しいです。私が言いたいのは、それぐらい「えぐい」テーマにしないとだめだと言う事です。今は、まだ議論がきれいごとで終わっています。
 でも即効性を求めるなら、20万人のうちもし半分が中絶できなければ、10万人が生まれてきますよね? そういう極端な議論もひっくるめた、本気の、包括的な議論が必要だと言いたいのです。
 でもそういう真正面の議論は出来ない。自民党はずるくて、「中絶は女性の権利だ」と言って逃げていた。でも本来、女性の権利はちゃんと避妊できることで、中絶できることではない。問題をすり替えている。
 中絶を厳格化するのと引き換えにピルの自由化をしたら、適正に子どもが生まれてくるでしょう。でもなぜかしていない。ピルが認可されるまでに数十年かかりました。バイアグラは1年ぐらいで認可されたのに(笑)。
 少子化は、今ないものを作ること。保育園を作るなど「今いる人」向けの対策を施しても増えません。
(2010.02.15 自民党・野田聖子衆院議員インタビュー 日経ビジネスオンライン)
 以前の日本では中年夫婦の中絶件数が多かったので、近年の経口避妊薬(ピル)や緊急避妊薬(アフターピル)の普及によって人工妊娠中絶件数が減ったことは事実だが、避妊薬さえあれば「適正に子どもが生まれてくる」ということではない。
 野田聖子は「中絶を厳格化する」と言い換えているが、日本の母体保護法と刑法の堕胎罪を本当に厳格化した場合、ヨーロッパで最も厳しい中絶禁止法のあるキリスト教国・ポーランドとほぼ同じ状況になり、事後避妊法(アフターピル)すら使用できなくなる可能性もある。
 中絶禁止は人命より宗教倫理を重視する団体などが主張している政策で、女性にとって非常に問題が多い。法律で中絶が禁止されても、レイプ被害や避妊の失敗がなくなるわけではない。もし仮に相手の男性をいますぐ強姦罪で訴えなければ病院では中絶できないとしたら、妊娠した女性はさらに苦しい状況に追い込まれる。
 実際に中絶が禁止されているインドネシアのような国では、医師ではない者が中絶手術を行うため、医療機関による中絶手術よりはるかに危険が多くなっている。
 つまり中絶禁止は日本から中絶率統計をなくすと同時に女性の身の危険を増やすだけで、日本国民にとっては少子化を解決する政策にはならない。野田聖子は中絶禁止をエサにすれば選挙などで宗教団体の動員力を利用できると考えたのだろうか。
 開発途上国145か国のうち143か国で人工妊娠中絶が認められているなかで、インドネシアでは人工妊娠中絶が認められていない。たとえレイプによる妊娠であっても人工妊娠中絶は許されない。人工妊娠中絶が非合法であることは、安全な人工妊娠中絶へのアクセスを困難なものにし、望まない妊娠をした女性を危険にさらしている。
 インドネシアでは年間250万件の人工妊娠中絶が行われており、妊産婦死亡の10〜30%は安全でない人工妊娠中絶によると推計されている。
(東梅久子 『臨婦産』2006-11.p1412-1413 産科医療のこれから)
 〔米民間団体「Guttmacher Institute」の、世界の妊娠中絶に関する〕報告書は、「法的制限は妊娠中絶を止めることはできない。中絶手術を危険にしているだけだ」と述べ、「合法な中絶手術を受けられないためにあまりに多くの女性が毎年、重傷を負ったり死亡している」と警告した。
(2009.10.14 AFPBB)
昨年、中絶手術を受けるために英国を訪れたポーランド女性の数が1万人におよんでいることが明らかになった。英国のNHS(国民医療サービス)はこの費用として500万ポンドから1000万ポンドを費やしていることになるという。
これは女性と家族のためのポーランドの機関「the Polish Federation for Women and Family Planning」が発表したもの。ポーランドでは中絶手術が違法とされているため、短期労働者として働く外国人にもNHS番号(国民保険番号)を交付して医療サービスを提供し、妊娠24週まで中絶手術が可能である英国が渡航先として人気が高いという。
(2008.12.17 UK.TODAY)
 ─欧米では〔夫婦別姓が〕認められているのに、日本では認められないのは、ほかにも理由があるのですか。
野田 全体主義者の人たちが言う、自己主張をして、好き勝手をするのが個人主義なのではなくて、自己完結を目指して、自分がどういう風に社会と共生できるかを考えることなのです。それがなぜ、欧米で浸透して日本では駄目なのかと言うと、宗教観の違いでしょう。ブッシュ大統領もキリスト教原理主義者で、イエス様に自分自身のお伺いを立てています。日本は八百万(やおよろず)の神で、宗教感覚が希薄ですから、なかなか浸透しないのです。
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 ─海外では少子化対策をどうしているのですか。
野田 アメリカの大統領選でも議論になりましたが、中絶に関して、日本は鷹揚です。日本では年間30万件くらいの中絶がありますが、決してふしだらだからではありません。それぞれに経済的な事情などがあって、本当は産みたいが、そうせざるを得ない理由がある人が大半です。他国がなぜ中絶に厳しいかと言うと、それをしなくてもよいような制度があるからです。例えば匿名養子という制度があって、生まれた子供を子のない夫婦が養子縁組できるのです。
(野田聖子 『経済界』2005年4月号)
 一般的な感覚では「キリスト教原理主義者」という表現は否定的に使われるが、このインタビューでは野田聖子はまるでキリスト教原理主義の宗教観を美化するために「ブッシュ大統領もキリスト教原理主義者」と発言しているように見える。
 「中絶を厳格化する」という野田聖子の発言を「前後の文脈から見て本気ではないだろう」とブログなどで擁護している人もいたが、複数のインタビューやコラムなどでの発言をまとめると、どうやらキリスト教国を見習って中絶をほとんど禁止し、生まれた子供を育てられない親を増やすことで養子縁組や里親制度の条件を緩和させたいというのが野田聖子の持論らしい。
 ところが里親制度の先進国イギリスでは、性教育が義務化されていないため、避妊も中絶もせずに育てられない子供を産んでしまう女性が多すぎて、里親制度はすでに破綻して養育放棄や児童虐待が拡大しているのが実情。野田聖子は養子縁組や里親制度のことを、まるで不妊の夫婦に子供を提供してくれるシステムのように語っているが、むやみに里親の条件を緩和しても養育放棄や児童虐待が拡大するという現実をどう考えているのだろうか。
英国政府が一部出資しているチャンネル4が製作・放映したドキュメンタリー「Lost in Care」によれば、英国政府は現在、里親(フォスターファミリー)の限界を認識し、ドイツ型の小規模&家庭的養護施設(グループホームの事ですね)に注目しており、実験的な新タイプの養護施設をエセックス州を中心に設立し始めたといいます。
その英国政府と英国民が認識した里親(フォスターファミリー)の限界とは
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(2)養育の現場が一般家庭同様に閉ざされた(他人のいない)場所であることから、預かった子供に虐待を加えたり、養育を放棄する里親があり、英国ではそうした事件が実の親による虐待事件と同じぐらい問題になっている。
(2009.12.12 はばたけ! 養護施設出身者)
それなりに信頼して預けた育児のベテラン・プロと思われる養育者でも苦労するケースが多い。
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野田聖子は、自身が「養親になれない理由」を嘆くばかり。可哀想とか、自分なら育てられる、みたいな「善意」や「母性本能」や「意欲」をアピールしたところで、問題は解決しないだろう。
(2008.02.04 野田聖子の乳児院視察に「苦笑」 - 倫敦橋の番外地)


・関連
→ 青少年のセックスは法律で禁止しても減らない
→ 宗教右派の危険性
→ 性道徳だけ教えても性感染症予防にはならない

2017.06.19 Monday

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コメント
題: 皆で・・悔い改めて下さい。
    伝搬して・・いなかったなら・・
...(真を求めて 皆様とともに幸せになりたい)
.
 もし、ヨーロッパに・・、
 キリスト教が伝わっていなかったなら・・、

 世界は、本当に、本当に、平和な時代が続いただろう。
 キリスト教の・・『殺戮の宗教の伝搬』が・・伝わっていなかったら・・、ヨーロッパも・・すべての地も・・
 戦争に満ちた地に・・ならなかっただろう。
 一神教と言うが・・実は、多神教の・・見せかけの一神教の・・その気持ちだけでいる・・キリスト教が、

 その生まれた地の・・、砂漠の飢餓の地の・・、
 奪い取りをしなければ・・相手を殺さねば・・そうして生存せねばならない地の・・
 その精神に染まった宗教=キリスト教が・・伝わらなければ・・、
 魔女にされた女性の方々も・・無駄な・・無念の死を・逃れる事が出来ただろう、逃れられただろう・・。
 当然・・、

 南米・中米・北米メキシコ、および、それらの離島のインディオスの方々も・・、
 1000万人以上に及ぶという・・筆舌につくせぬ多くの方々も、死なずに、死なないで・・済んだだろう。
 また、ユダヤの方々も・・悲惨な死を免れただろう。
 あらゆる時代を通して、また、あらゆる場所において、
 『イエスの呪いの言葉』によって・・悲惨な死の事態に巻き込まれ、追い込まれたユダヤの方々・・、
 逃げまどい、そうしても、殺され、殺戮されたユダヤの方々の姿も・・なかったであろう。
 オーストラリアのアボリジニの方々も・・虐殺を免れ、動物狩りの様に撃たれ・・死に・・そして・・絶滅の時を迎えている・・その様な事にならずにも済んだだろう。(つづく)
.
..  (詳しくは、以下のブログへ)
http://blog.goo.ne.jp/hanakosan2009 /
  • 高木康行
  • 2014/06/11 12:45 AM
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