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2011.01.31 Monday

差別発言をくりかえす石原都知事に媚びる週刊誌

 石原都知事が2010年12月の記者会見で青少年条例の話から、同性愛者について「遺伝のせい」「どこか足りない」など差別的な発言をしたことが毎日新聞や東京新聞や朝日新聞で報道されました。ところが、読売新聞や産経新聞、そしてほとんどのテレビ局は、会見の場に記者がいたはずなのに、都知事の差別発言について報道しませんでした。そして週刊新潮は、都知事の差別発言を批判した人物を槍玉にあげ、さらに性教育まで批判する、まるで宗教広報誌のような論調の記事を掲載して差別に加担しています。
 東京都の石原慎太郎知事は7日、同性愛者について「どこかやっぱり足りない感じがする。遺伝とかのせいでしょう。マイノリティーで気の毒ですよ」と発言した。石原知事は3日にPTA団体から性的な漫画の規制強化を陳情された際、「テレビなんかでも同性愛者の連中が出てきて平気でやるでしょ。日本は野放図になり過ぎている」と述べており、その真意を確認する記者の質問に答えた。
 7日の石原知事は、過去に米・サンフランシスコを視察した際の記憶として、「ゲイのパレードを見ましたけど、見てて本当に気の毒だと思った。男のペア、女のペアあるけど、どこかやっぱり足りない感じがする」と話した。同性愛者のテレビ出演に関しては、「それをことさら売り物にし、ショーアップして、テレビのどうのこうのにするってのは、外国じゃ例がないね」と改めて言及した。
(2010.12.07 毎日新聞 真野森作)
〇七番(福士敬子君) それから、青少年条例は、知事答弁を避けられました。都小P協の要請時、知事が、テレビに同性愛者が平気で出ると発言されたとの報道がありました。条例案を勘違いされていませんか、伺います。発言の趣旨はどんな思いでおっしゃったのか、お答えをいただきたいというふうに思います。以上です。
〇青少年・治安対策本部長(倉田潤君) 本条例案の性交等につきまして、同性か異性であるかということについて何ら変わりはございません。
(2010.12.08 東京都議会会議録)
 東京都の石原慎太郎知事は17日の記者会見で、過激な性描写のある漫画などの販売を規制する都改正青少年健全育成条例が成立したことに関連し「世の中には変態ってやっぱりいる。気の毒な人で、DNAが狂っていて。やっぱりアブノーマル。幼い子の強姦(ごうかん)がストーリーとして描かれているものは、何の役にも立たないし、(百)害あって一利もない」と述べ、規制の必要性を改めて強調した。
(2010.12.17 時事通信)
続いて東京の一般参加者が、
「東京都では性教育への圧力が高まっています。来校した看護師の方に実物のコンドームの装着の仕方は教えてもらえなかったりと、圧力に屈しています」
 また各分科会には、日教組の主張の代弁者である共同研究者がいるが、ここでは、女性の共同研究者が、
「石原都知事が同性愛に対して“足りない”と言うのは、哀しい差別です」
と、こう主張し始めた。
「全体主義の戦争をした国だから同調圧力があり、異質性を認めることができないのです。韓国併合で朝鮮人を無理やり帰化させ、自分たちに同調させた過去がありますからね」
家族は要らず、学校はコンドームの装着法を教えなければならず、同性愛者の権利は認められるべき…。そんなことが“教育研究”の名を借りて、大声で叫ばれているのである。
(2011 週刊新潮 2月3日号 『ゆとりをもう一度! 同性愛者の権利を! 売国と自虐で喝采! 正気を疑う「日教組」亡国の教研集会』) (2011.01.31 yudai TwitLonger)

 石原都知事の「同性愛者は遺伝とかのせい」「変態はDNAが狂ってる」説はまったくデタラメで、暴論の根拠すら示されてません。また、幼い子を強姦する描写がある漫画が一般向けとして売られている実例もありません。「テレビ出演は外国じゃ例がない」説もひどい嘘で、カミングアウトしている有名人や政治家はたくさんいます。レズビアンとして知られている、東京都と姉妹都市提携を結ぶニューヨーク市議会のクリスティン・クイン議長も、石原の差別発言と表現規制を批判しています。

 石原都知事は就任以来、根拠のない偏見に基づいた差別的な発言を数多く繰り返しているのは有名ですが、問題発言をまとめたサイト「石原慎太郎の監視小屋」Wikipediaなどをあらためて見ると、自分が忘れていた事例や見落としていた発言も多くうんざりします。石原親子は複数の宗教団体と関係していることも公言しています。
 2010年の東京都青少年条例の改正について会見などで質問される機会が増えてから、石原都知事はこれまで以上に、宗教的な発言や、LGBTや漫画読者などを蔑視する発言を繰り返すようになりました。しかしテレビ等では相変わらず石原都知事はなぜか大御所タレント的な扱いで、カメラの前で差別発言をしてもほとんど報道されない存在になっています。TOKYO MXテレビではマツコ・デラックスがレギュラー番組『5時に夢中』の中で石原都知事の発言を批判しましたが、MXテレビの幹部は石原都知事の方針に反するアニメ好きを今後は社員に採用しないことも考えていると週刊現代は煽っています。
 宗教団体などを支持母体とする候補者が、差別的発言を繰り返すことで選挙の争点をずらし、宗教保守層の支持を固める手法は、アメリカなど海外の選挙でもよく使われています。しかし、キリスト教原理主義の人口が多いアメリカ南部と違い、東京都は宗教信者の票だけでは知事選には当選できないはずです。知らないうちに宗教団体の扇動にのせられてしまう人が多いのでしょうか。
 さらにこの〔MXの〕幹部は、条例によって番組だけでなく、新卒採用の方針も変えなければならないと頭を抱える。
「うちはアニメに強い放送局ということで学生にも人気があるのですが、会社は『今後のことを踏まえて、アニメ好きを過度にアピールする学生は採用しないほうがいいのでは』と考えています。
(2011 週刊現代 2月12日号) (2011.01.31 かるび Twitter)
今週発行の週刊誌に、TOKYO MXの新卒採用に関して、
「アニメが好きか否か」が採用の基準であるかのような記事が掲載されましたが、
そのような事実はまったくございません。
応募をお考えの皆様、ご心配なくエントリーをお願い申し上げます。
(2011.01.31 TOKYO MX 新卒採用ブログ)
 今回〔2004年米大統領選〕、CNN他のアンケートによると、ブッシュに投票した理由で最も多かったのは「モラル政策」がトップだったと報道された。具体的には中絶問題とそれに伴う幹細胞研究、およびゲイ結婚への反対だ。
 経済政策への関心は二番目で、対テロ、戦争に関する政策は三番目だった。
(2004.11.03 町山智浩アメリカ日記)

 東京都の青少年条例改正案を作成した東京都青少年・治安対策本部の部長らは警察からの出向職員だそうです。東京都以外でも警察関係者が青少年条例を主導している自治体が多いため、警察の権限を拡大する方向に条例改正されているという指摘もあります。かつては警察官の妻たちの組織「母の会」が悪書追放運動を扇動してきたともいわれています。そして警察も条例改正への圧力に宗教系団体の人脈を利用しているため、改正された東京都青少年条例は、近親相姦など宗教的タブーを扱う漫画にだけ異常に厳しい、不自然な条文になっています。
 都条例問題以外でも、必要以上に規制拡大をはかる警察はくりかえし宗教系団体と同じような主張をしています。今年から日本にも導入される見込みの、児童ポルノブロッキングという大義名分のネット検閲制度でも、警察は、どういうサイトが遮断されたのか検証しにくいような方式にこだわっています。エジプトや中国政府のようなネット遮断可能な権力を日本では警察と宗教系団体が握ろうとしてるのでしょうか。
 また、業界は画像が掲載されているサイトの管理者が削除に応じなかったり、警察の捜査が困難だったりした場合に限りブロッキングが可能としているのに対し、警察庁は画像を発見次第、即時にブロッキングができるとしている。設立予定のインターネットコンテンツセーフティ協会には、プロバイダーの意向が反映するとみられ、今後、警察庁の反発も予想される。
(2011.01.31 東京新聞)
 独裁政権転覆を図る大規模デモで緊張が高まる中、エジプト政府は夕べ午前0時頃、全国民8000万人のインターネットを遮断する異例の措置を取りました。
 一体どう切ったのでしょう?
 巨大なレバー、大きな赤いボタンのような「Kill Switch」があってバチンと切った...わけじゃありません。が、それに近いです。エジプト政府が国内大手ISP4社にサービス遮断命令を送ったんですね。
(2011.01.29 ギズモード・ジャパン)


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2017.05.29 Monday

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