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2011.03.18 Friday

自然災害と宗教を選挙に利用する石原都知事の「津波は天罰」発言

 知事引退を撤回した出馬会見で石原慎太郎知事が「津波は天罰」と被災者を中傷する宗教的発言をしたうえ、その後の会見で新聞記者から発言意図を確認されても撤回せず「日本に対する天罰だ」と重ねて主張したことが問題になり、宮城県知事から抗議を受けた石原都知事は発言の翌日にようやく謝罪しました。
 東京都の石原慎太郎知事は14日、東日本大震災への国民の対応について記者団に問われ「我欲で縛られた政治もポピュリズムでやっている。それを一気に押し流す。津波をうまく利用して、我欲をやっぱり一回洗い落とす必要がある。積年にたまった日本人の心のあかをね。やっぱり天罰だと思う。被災者の方々はかわいそうですよ」と述べた。
 知事は一連の発言の前に、持論を展開して「日本人のアイデンティティーは我欲になっちゃった。アメリカのアイデンティティーは自由。フランスは自由と博愛と平等だ。日本はそんなもんない。我欲だよ。物欲、金銭欲」と語っていた。
 同日、この後に開いた都庁の記者会見で「天罰」の意味について「日本に対する天罰だ」と釈明。「大きな反省の一つのよすがになるんじゃないか。それしなかったら犠牲者たちは浮かばれない」と話した。天罰について発言した際、「『被災された人は非常に耳障りな言葉に聞こえるかもしれないが』と言葉を添えた」としたが、実際には話していなかった。
(2011.03.14 共同通信)
 東京都の石原慎太郎知事は15日、記者会見し、東日本大震災を「天罰」とした14日の発言について「撤回し、深くおわびします」と陳謝した。
 知事は「行政の長である私が使った『天罰』という言葉に、添える言葉が足りなかった。かつてない困難の中にある被災者の皆さまの失意と無念は拝察するにあまりある。同じ日本に住む者として、明日はわが身、わがことであると思う」と述べた。
(2011.03.15 共同通信)
 では、逆に考えて、石原慎太郎は「我欲を捨て、正しい治世を行なえば、災害は起こらない」と考えているのでしょうか? しかし、そう考えの人間が上に立てば、災害対策が蔑ろにされることは容易に想像がつきます。
 災害と一言で言っても、地震や津波といった自然由来の部分は人間の力ではどうにもならないとしても、備えや事後の対処といった人為由来の部分については、ちゃんとした対策をすれば、ひとりでも多くの人の命や財産を救うことができます。今回の地震と津波は確かに大きな被害を発生させました。報道などでは為す術が無かったかのように報じられていますが、それでも堤防や物資などの備えや、その後の人々の行動が、被害から人々を守ったという側面もあるはずです。
 本来であれば、現在地震の影響を受けている東京都の知事である石原慎太郎が行なうべきは、まず第一に都民の混乱や不安に対する対処、第二に東京の災害対策に対する評価と新たな対策なのですが、石原はそうしたことを飛び越えて、自ら「天罰という宗教的道徳観」に逃げ込み、現実の被害を腐したのです。
(2011.03.16 赤木智弘の眼光紙背)

 「津波は天罰」と発言する3日前の、11日の地震直後の緊急会見では石原都知事は「(東京が)今程度の損壊で済むようなら、他県に比べてありがたい」と、被災者に対して他人事という意識が感じられる発言もしていました。
 また石原都知事は10年前からテレビなどでたびたび「東京湾に造ったっていいくらい日本の原発は安全」と主張していました。しかし現実には、津波による被害を受けた福島原発は以前から「津波が発生した際には機器冷却海水の取水が出来なくなる」と指摘されていたのに、東京電力は津波対策も機器点検も怠っていたのです。

 自然災害の被害に対して「天罰」という言葉を使うことじたい被災者を中傷した問題発言ですが、謝罪会見で石原都知事は「添える言葉が足りなかった」と釈明し「天罰」の存在は否定しませんでした。
 ネット上などでこの石原発言を擁護してる人たちは、発言の前後の文脈では被災者に配慮しているので中傷する意図はないなどと弁明しています。
 しかし、この中傷発言の前後の文脈が噛みあわないのは、石原都知事が「天罰」が実在するという前提で語っているからでしょう。今回の謝罪会見で石原都知事が「天罰」の存在を否定しないのは、被災者への謝罪より石原の選挙を支える宗教団体への配慮を優先しているように見えます。この時期の出馬会見でわざわざ「津波は天罰」という露骨な宗教的発言を行ったのは、これまで石原都知事が「同性愛者は遺伝とかのせい」「変態はDNAが狂ってる」など非科学的な差別発言を繰り返してきたことの延長で、信仰心を示して宗教団体の支持を固めることが目的なのでしょう。討論会も延期され、通常の選挙活動すら自粛されかねない今回の都知事選では、これまで以上に宗教団体の影響力は大きいかもしれません。
 石原慎太郎自身は霊友会の信者で「法華経に生きる」という著書もありますが、それだけではなく慎太郎は崇教真光の教祖を自宅にも招くほど親密で対談本もあり、今回知事引退する意向だった石原慎太郎に出馬を説得した息子の石原伸晃は崇教真光の信者として大祭に出席しています。また、石原親子は個人的に信仰する団体だけでなく複数の宗教団体と関係して選挙協力を受けていることは週刊誌の選挙取材でも指摘されていて、2009年当時全選挙区に候補を擁立していた幸福実現党石原宏高の選挙区では対立候補の出馬をとりやめたり、立正佼成会の拠点である石原伸晃の選挙区で民主党が対立候補を擁立しなかったなど、宗教団体を対立候補の出馬調整にも利用しているようにも見えます。そして今回の都知事選では石原慎太郎は、かつて統一教会の大会に祝電を送っていた松沢成文神奈川県知事を出馬辞退させるかわりに副知事に起用するのだそうです。
石原知事は4選を果たした場合に、松沢氏を副知事など重要ポストで起用する考えを示唆した。
(2011.03.14 時事通信)
 宗教団体などを支持母体とする候補者が、差別的発言を繰り返すことで選挙の争点をずらし、宗教保守層の支持を固める手法は、アメリカなど海外の選挙でもよく使われています。しかし、キリスト教原理主義の人口が多いアメリカ南部と違い、東京都は宗教信者の票だけでは知事選には当選できないはずです。知らないうちに宗教団体の扇動にのせられてしまう人が多いのでしょうか。
(→ 差別発言をくりかえす石原都知事に媚びる週刊誌)

 奈良・平安時代の日本では「天譴(天罰)」という迷信の意味は、儒教の「為政者に対する天の譴責」という思想に基づいていました。ところが、大正の関東大震災の後に内村鑑三などのキリスト教信者などが流行させた「震災は堕落した国民への警告」という狂った言説が、公職者などにとって都合がいいものだったため、日本でも「天譴」という迷信は自業自得という意味にすりかえられ、当時の道徳教育は儒教主義だったのに、震災の後は中学校の「修身」の授業でも被災者の生徒たちに「地震は人々の贅沢を戒める天罰」と教えていたといいます。
 当時の天譴論に対する反論は、実業家の渋沢栄一に反論した芥川龍之介の『大正12年9月1日の大震に際して』にも書かれています。
『日本震災史』によれぱ,「天譴」の思想はもともと儒教主義に基づくものであり、奈良・平安の王朝時代に既にこの「天譴」ということばが用いられているということである。このことばの本来の意味は,「為政者に対する天の譴責」ということだとされているのだが,大正時代に再びよみがえったこの天譴の思想は、少々異なったニュアンスをもって登場してきている。
(1982 仲田誠 『災害と日本人』)
 同胞よ。面皮を厚くせよ。「カンニング」を見つけられし中学生の如く、天譴なりなどと信ずること勿れ。僕のこの言を倣す所以は、渋沢子爵の一言より、滔滔と何でもしやべり得る僕の才力を示さんが為なり。されどかならずしもその為のみにはあらず。同胞よ。冷淡なる自然の前に、アダム以来の人間を樹立せよ。否定的精神の奴隷となること勿れ。
(1923 芥川龍之介 『大正十二年九月一日の大震に際して』)
もし先生の説明を受け容れるならば、このクラスで私だけが天物暴殄の罪を犯して、私だけが天譴を受けたことになるのではないか。私のことなど、どうでもよい。貧しい、汚い、臭い場末の人々、天物暴殄に最も縁の遠い人々、その人々の上に最も厳しい天譴が下されたことになるのではないか。私は、先生の説明が一段落つくのも待たずに、右のような趣旨の質問をした。先生が何とお答えになったかは覚えていない。何とお答えになったとしても、私は「天譴」および「天物暴殄」という概念を受け容れることは出来なかった。
(1975 清水幾太郎 『わが人生の断片』)

 地震の後はさまざまな宗教団体の施設が帰宅難民の一時避難所などに役立っていたという話もあります。しかし、もし被災者に対して「地震は天罰だ」と罵るような宗教団体があったら、人助けをしても偽善にしか見えず感謝されないでしょう。
 同様に「地震は天罰」と主張した人物をまた都知事に選ぶなら、いくら被災地を支援しても、東京都民はインチキ宗教の信者のような人たちだと思われるかもしれません。

・関連
→ ポーランドの「乱交ゲーム」というデマと日本の青少年厳罰論に共通する悪意
→ 差別発言をくりかえす石原都知事に媚びる週刊誌
→ 赤枝医師の発言の信憑性
→ TVタックルで性感染症自己責任論
→ 宗教右翼を煽動したジェリー・ファウエルの残した妄言

2017.06.19 Monday

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コメント
都知事の発言 全部の内容は 知らないですけれど
撤回 反省 謝罪したんですね。心 口 意 〜失言 問題発言
言葉は 鏡写しになるということも ききます。税金をもらう 国の指導者の一人 東京も ひどい状態なのかなぁ?フリーター 大丈夫かなぁ。他。新宿副都心 新宿2丁目 恐ろしいですね すぐに出した提案 団地の提供 ここで 都会の弱者の言い分も 浮き彫りになりそうですね。震災地の人を どう救援するか 人を助けるのは 難しいですね。今 人に助けてもらう ということも 難しい時代なのかなぁ。映画で 裕次郎 慎太郎の活躍した時代を 知らない世代です。国全体の危機ですね。どうなる日本 回復への 道は 試練だろうかこの国の人々の人間性を 問われるのかなぁ?神仏は いるのかなぁ? 科学 医学 人の空想力と実現。人の心 哲学〜 葛藤 争いのない心。うまく書けないです 問題コメントになってしまうかなぁ。ゴメン 一時期 勝ち組 負け組み という言葉を 聞いたことがありますけれど 慢心と争いを 生み出す 言葉かもしれないですね。競争社会を 続けてきた日本〜これからの日本 中国 ベビーブーム後 経済大国2位 格差もひどいと聞きます。〜
  • 村石太マン
  • 2011/03/19 2:35 PM
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  • 2011/06/05 6:48 PM
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