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2016.07.25 Monday

小池百合子と表現規制を推進する宗教組織と高橋史朗の関係

 東京都知事選で有力候補とされている小池百合子元防衛相が、2011年の国会で表現規制に関する請願を紹介していた件が話題ですが、この「仮想の児童ポルノ単純所持を処罰すべき」とする請願の要旨は、「日本会議」政策委員の高橋史朗が自民党の機関紙に発表した主張とほとんど同じです。
 現行の「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」では児童ポルノの売買や譲渡は処罰の対象としているが、「単純所持」は処罰されない。また、ネット上においても、児童ポルノをパソコンや携帯電話に取り込む「単純所持」が許される限り、違法画像が児童ポルノサイトに掲載されると、不特定多数の利用者がコピーを繰り返し、画像が無数に広がり、負の連鎖を断つことができない。さらに、漫画やアニメ、ゲームソフト等「仮想のわいせつ画像や性的虐待の表現」も目に余り、これ以上、児童ポルノの氾濫を放置しておくことはできない。一日も早く児童ポルノサイトに接続できなくなる制度等を導入し、全ての「単純所持」を処罰できる有効な法律改正をすべきである。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。
一、児童ポルノに関して、全ての「単純所持」を処罰できるよう、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」の早期改正をすること。
(2011 第178回国会 請願の要旨)
 さらに高橋史朗は,「児童ポルノの定義から絵を削除したが,疑問が残る」(p.61),「同法案は実存する児童を被写体としたポルノに限定したが,コミック,アニメなどの児童ポルノについても厳しく規制すべきである.悪質で露骨な性描写の目立つ『少年少女向けポルノコミック』なども児童をターゲットにした大人のいやしき商業主義にもとづくものであり,当然規制すべきである」(p.60)と主張している.
(1999 高橋史朗 「児童買春 豊かな社会の心の貧困 問われる大人の性モラル 児童買春等処罰法が成立」『月刊自由民主』555号 自由民主党)(2016.01.08 Ingsoc)

 小池百合子は宗教組織「日本会議」国会議員懇談会の副会長ですが、高橋史朗は「生長の家学生会全国総連合」委員長から日本会議の母体「日本青年協議会」の幹部になった人物。
 また高橋は、「臨時教育委員会」専門委員、内閣府「男女共同参画会議」委員など、自民党政権でも重用されていて「付き合いで請願の紹介議員になった」程度の関係性ではありません。
 2008年にも小池百合子は表現規制に関する請願の紹介議員をしていますが、この請願の紹介議員は日本会議系の規制派議員だらけだったと指摘されています。
 日本会議の集会には崇教真光や霊友会や佛所護念会教団やキリストの幕屋などの信者が多数参加、そして統一教会など宗教団体のイベントでは高橋ら日本会議幹部が講師を務めています。
 確かに、GHQに押収された「生長の家」の創始者・谷口雅春の著作をアメリカのアーカイブから見つけ出したのだとすれば、教団としては大金星にちがいない。世代的にも地理的にも「日本青年協議会」系の学生運動と距離のあった高橋が「日本青年協議会」の幹部となったのは、この宗教的実績が根拠だと見るのが自然だろう。
(2015.11.08 菅野完)

 日本会議は「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の母体でもあり「表現の自由」などの人権を保障しない考え方に改める自民党の憲法改正草案に強い影響を与えた団体だと報道されていますが、小池は2012年民主党政権時の衆議院予算委員会で、この自民党改憲草案を丸のみしろと当時の野田総理に要求していました。
○小池委員 私は、社会保障と税の一体改革、先ほどから、処分が甘い、そして命をかけると言っていたのにと、このように申し上げているわけでございますけれども、また、ある意味で、この法案そのものは自民党案の丸のみということを表現される方もおられます。私は、むしろ安全保障の案を丸のみしてほしい。ましてや、憲法改正草案もちゃんと準備いたしておりますので、いっそのこと丸のみするということも、我が国が有しているエネルギーそして時間ということを考えたら、いっそのこと早いんじゃないですか。どうですか、総理。
(平成24年7月9日 第180回国会 予算委員会 会議録)
「緊急事態であっても、基本的人権は制限すべきではない。」との意見もありますが、国民の生命、身体及び財産という大きな人権を守るために、そのため必要な範囲でより〔表現の自由などの〕小さな人権がやむなく制限されることもあり得るものと考えます。
(平成24年10月 改正草案Q&A 自由民主党 憲法改正推進本部)
〔阪口正二郎教授〕「財産権を『大きな人権』に位置付け、『財産権という大きな人権を守るため』と表現の自由が制限されていいというのは、全く逆です」
 重要な人権が制限されかねないと、なぜ阪口さんは考えるのか。「この『Q&A』では『(人権は生まれながらに誰もが持っているという)西欧の天賦人権説に基づく規定は改める必要がある』と書いており、国民に憲法尊重義務を新たに課すと主張するなど、人権より国家が優位だと考えている印象を受けます。そこで『国民の生命、身体及び財産という大きな人権を守るため』という部分を、『国家を守るため』と読み替えてみると、その意図がはっきりします」
(2016.05.23 毎日新聞 江畑佳明)
第一八条(基本的人権の制限) 権利は義務を伴う。国民は、互いに自由および権利を尊重し、これを濫用してはならない。
  2 自由および権利の行使については、国の安全、公共の利益または公の秩序の維持のため、法律により制限することができる。
(2013.4.26 産経新聞80周年「国民の憲法」) 起草委員長 田久保忠衛(日本会議議長)

 分裂選挙で自民党都連の公認でない小池を多くの自民党議員が支援しているのも、都連のメンツより宗教組織との関係を重視する議員が多いからでしょう。「日本会議国会議員懇談会」特別顧問「親学推進議員連盟」会長でもある安倍首相側は小池の出馬を容認している説もあり、党と対立するほどの大義もないようです。
 「保育所の広さ制限などの規制緩和(安全性無視の詰め込み)」「子供食堂などを活用(行政の責任放棄)」「満員電車ゼロへ2階建通勤電車の導入促進(乗降に時間がかかり遅延するなど過去に失敗例あり)」「空き家をシェアハウスにして保育士に現物支給(違法タコ部屋)」など小池のトンデモ政策や、公式サイトに掲載されている日本会議議長の田久保忠衛との対談「東京に核ミサイルを」のようなリスク無視の思想も、宗教組織に影響された非現実的な精神論でしかありません。東京五輪を控えた都知事選にもかかわらず、小池が外国人差別発言を繰り返しているのも、宗教的な差別意識を選挙に利用する意図がありそうです。

 高橋史朗は「親学推進協会」の会長ですが、小池百合子は2012年に国会内で行われた「親学推進議員連盟」勉強会にも参加していました。この宗教的な勉強会では高橋が講演し、先天的要因による発達障害児への差別を助長するトンデモ資料を配布、関係者の抗議が殺到したと報道されました。
 高橋史朗は宗教団体「モラロジー研究所」の特任教授で、差別的な親学関連書籍の多くはモラロジー研究所から出版されています。
 超党派の国会議員でつくる「親学推進議員連盟」が5月末「発達障害を予防する伝統的子育て」をテーマに勉強会を開いたことが分かった。配布資料には発達障害児の育児環境を「(子どもへの)声かけが少ない」とした表や「発達障害児は笑わない」「予防は可能」などの記述もあった。発達障害は子育ての問題だと受け取られかねない内容に、関係者の抗議が殺到、議連側は最終的に陳謝した。
(2012.06.12 毎日新聞)
 改正教育基本法成立の数日後にできた「親学推進協会」(富山県)も、独自に親学を広めた。約20の専門学校や短大で親学の授業が行われ、協会が認定した「親学アドバイザー」は1300人以上いる。
 同協会長は明星大学特別教授の高橋史朗氏だ。日本会議によると、高橋氏は現在、日本会議の運動方針作りに関わる政策委員を務める。
 親学という言葉は07年1月、第1次安倍政権の「教育再生会議」第1次報告に、「親として必要な『親学』を学ぶ機会を提供する」と盛り込まれた。
 日本会議は同年3月の理事会で、安倍政権に「親学」普及本部の設置などを求める「教育改革プラン」を決定。自民党が野党だった12年4月には、超党派の「親学推進議員連盟」が発足し、安倍晋三首相が会長に就いた。
 高橋氏は第2次政権の13年からは、内閣府の男女共同参画会議の議員を務める。
(2016.06.17 朝日新聞)

 「新しい歴史教科書をつくる会」は都知事選で小池支持を表明していますが、高橋は埼玉県教育委員に指名される2004年ごろまで「つくる会」副会長として教科書の監修に関与していました。この「つくる会」は、2013年に漫画「はだしのゲン」について図書館や学校からの撤去を各所に要請していた凶悪な表現規制団体です。政治的理由による撤去要請ですが、要請を受けた教育委員会が「性的な乱暴シーンが小中学生には過激」という理由をこじつけて撤去に応じたことも問題になりました。
本会議で全会一致で不採択となったものの、その後市教委が漫画の内容を改めて確認した結果、「首を切ったり、女性への性的な乱暴シーンが小中学生には過激」と判断し、その月の校長会でゲンを閉架措置とし、できるだけ貸し出さないよう口頭で求めたとのことです。それにより、市内の小中学校49校のうちゲンを全巻保有していた39校全てが閉架措置を取ったとのことです。
(2015.08.06 はだしのゲン図書館撤去問題はそれからどうなったのか Timesteps)
 新しい歴史教科書をつくる会(杉原誠四郎会長)は11日、漫画「はだしのゲン」の内容が皇室や国歌を否定するもので、学校教育法の趣旨に反しているなどとして、「ゲン」を教育現場から撤去することを求める要請書を下村博文文部科学相あてに提出した。
(2013.09.11 産経新聞)

 高橋史朗は、育鵬社のデタラメな教科書を執筆している「日本教育再生機構」の理事でもあります。そして自民党の都政で、東京都教育委員会はこの育鵬社の教科書を採択しています。
育鵬社の教科書といえば今やトンデモなデマとして広く認知されている「江戸しぐさ」を掲載していたことで非常に有名。また、アメリカ合衆国の反進化論団体らが唱えるインテリジェントデザイン説(ID説)の一種として知られる「サムシング・グレート」についてのコラムが掲載されていたことで「トンデモ科学が教科書に載せられている」として批判が巻き起こっていました。
(2015.07.23 BUZZAP!)

 高橋は親学関連の書籍などでも「江戸しぐさ(現実の江戸とは全く関係ない1970年代以降に作られたマナー集)」「サムシング・グレート(村上和雄が天理教の信仰を取り入れたインテリジェントデザイン説)」「ゲーム脳(ゲームや携帯電話を全否定する親学推進協会評議員・森昭雄の妄言)」を肯定的に紹介していますが、親学以前は著書で統一教会による純潔教育を擁護し、米キリスト教福音派の反中絶・反避妊カルト「Focus on the Family」による反コンドームデマを日本に拡散していたことでも知られています。つまり高橋たちが伝統的保守というイメージもインチキで、海外で新たに捏造されたニセ「伝統」デマまで持ち込み、日本の宗教に悪影響を与えているのです。
 日本大学の澤田昭夫教授によれば、安全セックス運動の裏にあるセックス産業の欺瞞をあばき、健全な家庭の復活を目指すアメリカの一大家庭運動「フォーカス・オン・ザ・ファミリー」が指摘するのは、発見できるコンドームの穴の大きさは一ミクロンであるが、エイズのウイルスはその一〇分の一で、人間の精子の約四五〇分の一しかないという事実である。
(1994 高橋史朗「間違いだらけの急進的性教育」P37-38)
「HIVはコンドームを通り抜ける」という噂は、アメリカの反避妊団体「AMERICAN LIFE LEAGUE」が広めたガセネタが元になっています。キリスト教原理主義者は避妊用品の販売・配布を妨害するためにコンドーム否定論を広めているのです。
(→HIV感染予防についてよくある誤解)

 また、2009年の衆院選で小池百合子のために小選挙区候補を出馬辞退させて共闘した幸福実現党など、日本会議以外の宗教団体も小池の選挙を支援しているようです。都知事選には幸福実現党の独自候補も出馬していますが、野口健などの信者小池支持に回っています。
 幸福実現党は「表現の自由を守る」などと発言することもありますが、幸福の科学は1991年に「ヘア・ヌードは日本全土を色情地獄化する試み」「自由には方向性が必要」と主張する「ストップ・ザ・ヘアヌード」デモを行い、日比谷公園の野外ステージで取材に来たテレビカメラに向けてヘアヌード雑誌を燃やすパフォーマンスを行ったことがある凶悪な表現規制団体です。宗教上の都合で「表現の自由」を制限するために権力を持とうとしているようなものです。

 このように、日本会議以外の宗教組織も含めて、小池の宗教的政策に影響を与えている支持層には表現規制推進派が多いので、小池の選対役員が発表したコメント「目をそむけたくなるものも中にはあり、そこをどのように線引きするか議論が必要」も、不明確な基準による表現規制を推進する宗教議員の常套句「行き過ぎた表現は規制すべき」と同じ意味にしか解釈できないのです。
 そして、政治資金に関して舛添要一や猪瀬直樹より疑惑が多い小池では、もし都知事に当選してもまた前任者たちと同じような理由により辞職する可能性が高いという指摘もあります。

・関連
→ 自然災害と宗教を選挙に利用する石原都知事の「津波は天罰」発言
→ 差別発言をくりかえす石原都知事に媚びる週刊誌
→ コンドーム普及を妨害する偏見
→ HIV感染予防についてよくある誤解
→ 茨城県立高校の必修道徳テキストでカルト宗教信者のニセ科学本を引用
→ 集票に利用される宗教と政治家を利用する宗教

2017.06.19 Monday

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